昨今の電気代の高騰に加えて、
輸入価格の上昇による食料品等日用品の値上げにより、
スーパーマーケットをはじめとする
多くの小売店が経営に頭を悩ませています。

今回はスーパーマーケットの電気代事情について解説していきます。

昨今の電気代状況について

スーパーマーケットの電気代について解説する前に、
昨今の電気代高騰の状況についておさらいしておきましょう。

電気代と一言で言っても、毎月の明細を確認すると何やら日頃見かけないような
いくつかの項目があるかと思います。

昨今の電気代の高騰の原因と言われている2項目を説明致します。

再エネ賦課金


最近よく話題になっておりますが、再エネ賦課金の値上がりは
電気代高騰に直接繋がっています。

正式名称を「再生可能エネルギー発電促進賦課金」
と言い、その名の通り再エネを普及させる目的で
生まれた電気料金の一部です。

再エネ賦課金とはそもそも何の料金なのか、と言うと
電力会社が風力発電所等の「再生可能エネルギー事業所」から電気を買います。

その買ったときの値段を私たちがいくぶんか
負担をしており、それが「再エネ賦課金」と言う名前で請求されているのです。

燃料額調整費


2つめは、石炭や液化天然ガス(LNG)などの
輸入価格高騰の影響で、
燃料費調整額が値上げされています。

なぜこれらの輸入価格が上がると
電気代が高騰するのか?と言いますと、
日本の主な発電が火力発電であることが関係しています。

火力発電に用いる燃料として、
石炭やLNGが使われるのですが、
こちらが今年はウクライナ情勢等の関係から
輸入価格が上昇し、日々の電気代にも影響しています。

ほとんどの燃料を海外の輸入に頼っていますので、
今後も厳しい状況は続きそうです。

スーパーマーケットの平均電気代

スーパーでは、電力需要が大半を占めますが、規模によってその用途が異なります。
大規模な店舗では、店舗内外の照明、ディスプレイ用照明の電力消費が多くなり、
小規模な店舗では、ショーケース等の冷凍冷蔵用の電力消費が多くなります。

スーパーは一体月々いくらの電気代がかかっているのでしょうか?
環境省の資料によると、延べ床面積1万平方メートル程度のスーパーでは
年間電気料金が7千万円程度(従量料金のみで基本料金は含まない)という事例もあります。

1世帯の平均電気代が年間10万円だと想定しまして、
お店1店舗の電気代は約700家庭分に相当することになります。

大規模な店舗では、エネルギー消費の中で、特に大きな割合を占める空調用、照明用消費、
小規模な店舗では、冷凍・ 冷蔵用消費に対しての対策が必要です。

電気代削減手法3選(省エネ)

新たな設備を導入せず、今の設備の使い方を改善することでも
ある程度の電気代削減は可能です。

空調設備の使い方の工夫

・建物内の予冷・予熱時に外気を入れない。
・冷暖房の設定温度の適正化を図る(例:冷房 28℃、暖房 20℃以下等)。
・冷暖房時間の短縮を図る(例:運転開始は開店時以降に、運転停止は閉店 30 分前(冷房)~60 分
前(暖房)にする)。
・ダクト内の清掃や空気漏れの点検・修理、フィルターの適正保守等をこまめに行う。

照明設備の使い方の工夫

・外の光が利用できる時間帯、場所(例:外に面した部位の電灯等)では、できるだけ消灯する。
・店内照明やショーウィンドウ、ネオン等の照明について照明時間の短縮を図る。
・事務所、バックヤードの不使用時の消灯を呼びかける。
・照明を定期的に測定して、過剰な照度とならないようにする。
・照明器具を定期的に清掃する。

ショーケースの使い方の工夫

・閉店後には、ショーケースへのナイトカバーの取り付けを行う。
・ショーケースの照明の点灯・消灯は、開店・閉店時に行う(商品点検時は除く)。
・冷凍機の冷水設定温度を上げておく。
・冷媒に CFC、HCFC 等のフロンが用いられている冷凍機等については、オゾン層破壊防止と温暖化
防止の両側面から、漏洩防止のため適正なメンテナンスを行うとともに、廃棄時には、適正な回収・
破壊処理を行う回収業者に引き渡す。

設備投資による電気代削減方法3選

外気冷房システムのメリット

外気冷房システムは、冬期や春・秋といった中間期に外気の温度と湿度が室内よりも低い場合に
積極的に外気を室内に取り込むことで冷房負荷を軽減して室内の温度を下げることができます。

通常の冷房システムと比較して約10%から20%の熱エネルギーを削減できます。
外気を直接取り込むため湿度管理や除塵処理などが必要となります。

高効率ヒートポンプの採用

・従来機との比較でCOP111.3倍以上のヒートポンプ機を採用する。
・消費電力を抑え、契約電力の低減が可能となる。
・小規模~大規模までの施設で適用可能。

空調用冷房能力56kWを想定した場合、
500~550万円程度の節約が見込めます。

デシカントシステムの採用

・空気中の湿分を冷却前に除去するため、機器容量を低減できる。
・冷凍食品、アイスクリーム等への霜付き・氷結が減少する。
・湿度管理や除菌等が求められる施設であることが前提となる。

4,500㎥/時の空気を処理する規模で、
約1,000万円程度の削減が見込めます。

設備投資による電気代削減方法(再エネ)

太陽光発電システムの導入で、環境にも優しく電気代の削減が可能です。
特に、今後も上昇することが予想される再エネ賦課金の変動に対するリスクの軽減が見込めます。

最後に

再生可能エネルギー.comは株式会社サンエーが運営しております。

弊社は再生可能エネルギー事業の他、電気設備工事事業、次世代LED事業等、お客様の生活の質を向上できるよう多岐に渡って事業を展開しております。

「エネルギー問題の解決につながるような取り組みをビジネスの中で実現したい」そんな思いから「化石燃料の奪い合いのない社会」をつくるために社員全員で最善のご提案をさせていただきます。

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