今夏は電気代の高騰と電力不足がとても話題になりました。
特に電気代高騰に関しては電気代が1年前に比べると『約4割』値上がりしています。
そこで再度気になるのが、電力のピークカットとピークシフトです。
電気代が高騰している中、やらなければならないことです。

今回は『電力のピークカットとピークシフトの違い』を徹底解説致します。

ピークカットとは

ピークカットとは、電力の使用量が最も多い時間帯(ピーク時間帯)に、電力使用量(電力購入量)を「カット(削減)」することを指します。具体的には、ピーク時間帯に、太陽光発電でつくった電気を使用するなどの方法があります。
ピークカットを行うことで、電気料金の削減や、基本料金の削減につなげることが可能です。ピークカットを実施するための具体的な方法や、電気料金の削減につながる仕組みは、記事の後半でご紹介します。

ピークシフトとは

ピークシフトとは、夜間など電力使用量の少ない時間帯に電力をためておき、電力使用量が最も多いピーク時間帯に使用することを指します。具体的には、蓄電池を使った方法などがあります。
ピーク時間帯の電力使用量を削減するため、ピークカットと似ていますが、ピークシフトでは全体の電力使用量に変化はなく、使用する電力量を「シフト(移動)」させて、全ての時間帯の電力使用量を均一化するイメージになります。

ピークカットとピークシフトの違いは?

ピークカット・・・ピーク時の電力使用量を削減する。
ピークシフト・・・ピーク時の電力使用量を電力使用量が低い時間帯に移動させる。

つまり、ピークカットは全体の電力使用量が削減される、ピークシフトは全体の電力使用量は変わらない。

そもそもなぜ電力使用量のピークを気にする?

それは『電気料金の中の項目の基本料金が変わる』からです。

そもそも電気料金はどのように決められるのでしょうか?
電気料金は、一般的に以下の計算式で導き出すことができます。(基本的な従量電灯B・Cなどの場合)

電気料金 = 電力量料金 + 再生可能エネルギー発電促進賦課金 + 基本料金

電気量料金

電力量料金は、使用した電力量に応じてかかるもので、電力使用量が減れば、料金も下がります。「電力量料金単価×使用電力量±燃料費調整額」で表すことができます。

燃料費調整額

電気をつくるのに必要な燃料費の変動を、電気代に反映させるための項目で、燃料費によって上下します。

再エネ発電賦課金

再生可能エネルギー発電促進賦課金(再エネ発電賦課金)は、再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT)によって、電力会社が再エネ電力の買い取りにかかった費用を、電気の利用者が負担するものです。
なお、再生可能エネルギー発電促進賦課金は、以下の計算方法で算出されます。
再生可能エネルギー発電促進賦課金単価(円/kWh)×1ヶ月の使用電力量(kWh)

基本料金

基本料金は、「基本料金単価×契約容量(契約電力)」の計算式で表すことができます。契約電力は「最大デマンド」という値によって決定されます。

最大デマンド

最大デマンド(最大需要電力)とは、もっとも多く電力を使用した30分間の、電力使用量を指します。
ここで重要なのは、契約電力は、過去1年間の最大デマンドのなかで最も大きい値に基づき決定されるということです。つまり、最大デマンド値がより高い数値に更新されるたびに、その後1年間の基本料金が値上がりしてしまうのです。反対に、1年間最大デマンド値を更新せずにいれば、基本料金が値下がりすることになります。

まとめ

つまり、最大デマンドをコントロールすることが電気代削減の大きな近道です。
もちろん最大値になりそうなタイミングで手動で電力消費を抑えることも可能ですが、限界はあります。
ですから、太陽光発電や蓄電池などの設備を導入することで最大デマンドコントロールの自動化をお薦めします。

最後に

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