2021
12/03
目次
今回はエネルギー基本計画について解説いたします。
エネルギー基本計画とは?
エネルギー基本計画は、エネルギー政策の基本的な方向性を示すためにエネルギー政策基本法に基づき政府が策定するものです。今まで第5次まで発表されており、先日、第6次エネルギー基本計画が発表されました。
・平成15年10月:当初エネルギー基本計画
・平成19年3月:第2次エネルギー基本計画
・平成22年6月:第3次エネルギー基本計画
・平成26年4月:第4次エネルギー基本計画
・平成30年7月:第5次エネルギー基本計画
・令和3年10月:第6次エネルギー基本計画
第6次エネルギー基本計画の内容
エネルギー基本計画とは、「2050年カーボンニュートラル(2020年10月表明)、2030年度の46%削減、更に50%の高みを目指して挑戦を続ける新たな削減目標(2021年4月表明)の実現に向けたエネルギー政策の道筋を示したもの」になります。
内容としては、大きく以下の3つについてまとめられています。
①東電福島第一の事故後10年の歩み
②2050年カーボンニュートラル実現に向けた課題と対応
③2050年を見据えた2030年に向けた政策対応
2050年カーボンニュートラル実現に向けた課題と対応のポイント
経済産業省は2050年に向けては、温室効果ガス排出の8割以上を占めるエネルギー分野の取組が重要としています。
そして、電力部門は、再エネや原子力などの実用段階にある脱炭素電源を活用し着実に脱炭素化を進めるとともに、水素・アンモニア発電やCCUS/カーボンリサイクルによる炭素貯蔵・再利用を前提とした火力発電などのイノベーションを追求することとしています。
2050年のカーボンニュートラル達成に向けた施策が色濃く出ています。
2050年を見据えた2030年に向けた政策対応
2030年に向けた政策としては、安全性を前提とした上で、エネルギーの安定供給を第一とし、経済効率性の向上による低コストでのエネルギー供給を実現し、同時に、環境への適合を図るS+3Eの実現のため、最大限の取組を行うことを基本方針としています。
これは、下記の図にあるように、安全性(Safety)を大前提とし、安全供給(Energy Security)、経済効率性(Economic Efficiency)、環境適合(Environment)を同時達成することを意味しています。
S+3Eは過去のエネルギー基本計画の中でも明示されていましたが、さらにここに注力していくという形で第6次基本計画の中にも盛り込まれています。
2030年を見据えた具体的な再生可能エネルギーに関する取り組みとしては、まずは需要側の省エネの普及と再エネの主力電源化があげられます。
省エネの普及に関しては、分散型エネルギーリソースを活用したアグリゲーションビジネスを推進や需要サイドにおけるエネルギー転換を後押しするための省エネ法改正を視野に入れた制度的対応の検討もされています。
再エネの主力電源化については、地域に共生する形で再生可能エネルギーの導入を推進していくことや系統制約のルールやFIP制度の施行など制度面から普及を後押ししていくことが発表されています。
火力や原子力など再生可能エネルギー以外のエネルギーについても言及されています。
原子力についてはいかなる事情よりも安全性を全てに優先させることが強調されています。そして、その安全性を確保することができたうえで、再稼働を進めていくこととしています。
この2030年の施策を見ると、やはり再生可能エネルギーの主電力化においては、太陽光発電は重要な役割を果たすといえます。
2030年のエネルギー需給の見通し
2030年におけるエネルギー需給の見通しは以下の通りです。
再エネ比率を36%~38%に、原子力比率を20%~22%にすることで、温室効果ガス削減46%が可能になるとしています。
(資源エネルギー庁:https://www.meti.go.jp/press/2021/10/20211022005/20211022005-2.pdf)
また、この見通しが実現した場合の3Eについても以下のように示されています。
安全供給においてはエネルギー自給率30%、環境面では、温室効果ガス削減45%、経済性については電力コストが9.9~10.2円/㎾hまで低減させることができるとしています。
(資源エネルギー庁:https://www.meti.go.jp/press/2021/10/20211022005/20211022005-2.pdf)
今回の第6次エネルギー基本計画ではどのエネルギーに関しても「安全性」を重要視する内容が多く見られました。また、「カーボンニュートラル達成」に向けた取り組みが多く含まれており、今後カーボンニュートラル達成に向けた動きは加速していくと思われます。
これは、ビジネスにおいても例外ではありません。
カーボンニュートラルの取り組みとして再生可能エネルギーの導入がありますが、企業が積極的にここに取り組んでいく必要があるといえます。
最後に
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